1.自分の年金制度  

公的年金の仕組みと自分の加入制度を知ろう!

日本国内に住んでいる 20 歳以上 60 歳未満の方はなんらかの形で公的年金に加入することになっています。

でも、それぞれの職業や立場によって加入のしかたが違いますので、少なくとも「私はこの制度」「僕はこれです!」と答えられるように、自分の加入制度くらいは知っておきましょうね。

さて、下の図のように大きく分けて 3 つのグループがあります。

公的年金仕組み

まずは、 1 つめ。

20歳以上60歳未満の 自営業 の方たちは 「第 1 号被保険者」 です。たとえば、八百屋さんや魚屋さん、 農家 の方など、私のような開業社労士もここですね。
他にも、 20 歳以上の 大学生 や、「ちょっと今、 無職 です」とか「 フリーター です」なんて人もこのグループです。

この「第 1 号被保険者」の人たちは、毎月 14,410 円(平成 20 年度)の国民年金保険料を支払って加入しています。仮に、八百屋さんのご主人、奥様、その手伝いをしている 20 歳の息子さんがいたら、 3 人それぞれが月に 14,410 円を支払うことになっています。

次は、一番人数の多い 2 つ目のグループ。

民間サラリーマン 公務員 など組織に属してお給料をもらっている人たちは「第 2 号被保険者」 といいます。

この人たちは、どのように保険料を払っているかというと、否応なしにお給料から天引きされています。それも「国民年金」の上乗せ部分となる「厚生年金」や「共済年金」の保険料を、自分だけでなく自分の属する組織と半分ずつ支払っています。

収入に関係なく月 14410 円と決まっている「第 1 号被保険者」の皆さんと違い、その人のお給料割で支払っています。つまり、お給料の多い人はたくさん支払っているわけです。

また、中学や高校を卒業してすぐに就職すれば 20 歳未満から年金に加入することになりますし、 60 歳以上でも退職せず保険料をずっと払う人もいます。 20 歳以上 60 歳未満しか加入しない自営業の人より長くたくさん支払った分、将来もらうときも多くなるのはイメージできますよね。

さて、 3 つ目のグループ。

ここはサラリーマンや公務員に扶養されている 20 歳以上 60 歳未満の奥さんたちです。正確には 「第 2 号被保険者の被扶養配偶者」 だからご主人でも OK です。

この方たちは 「第 3 号被保険者」 といわれています。

「私が扶養になっているものだから、主人の給与から社会保険料が多く引かれて手取りが少ないのよ」と言う奥さんがたまにいますが・・・実際は引き落としされていません。

「え・・払ってないの?じゃあ、もらえない?」との心配は無用です。

保険料は、扶養している「第 2 号被保険者」の加入している年金制度が負担しています。

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なんだか混乱してきたなぁという方は次の表をご覧ください。

年金加入と老齢年金

わかりやすく説明するために、年を取ったときに受給できる老齢年金を「かける」と「もらう」という言葉で表現してみます。
仮に仕事はずっと 自営業 の方の場合、 20 歳から 60 歳まで 自分 で国民年金をかけます。そして、 65 歳になるとその分を 「 老齢基礎年金」 としてもらいます。

次に、 20 歳から 60 歳までずっと 会社員 の方の場合。

会社 自分 で厚生年金をかけます。そして、 60 歳で退職すると 「 老齢厚生年金」 の一部をもらい、 65 歳からは 「 老齢基礎年金」 と老齢厚生年金をもらいます。

20 歳から 60 歳までずっと扶養されている 会社員の奥さの場合。
その間、自分で年金は かけません が、 65 歳以降自営業の方と同じ額の 「 老齢基礎年金」 をもらうことができます。

自分で保険料を支払っている八百屋の奥さんから「ズルイじゃない?」という声が聞こえてきました。会社勤めの奥さんも不満そうです。

また、 20 代の若者から「そんな遠い将来の年金なんてあてにならない」なんて話も出てきました。
年金の話をすると、どうも「お金の損得」ばかりに目がいってしまいます。でも、社会保障としての年金制度にはそれだけではない役目があるのです。

2 、公的年金の役目を知ろう! へつづく

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