相談者 | 裁判員制度が始まるにあたり、会社としては何か対策が必要なのでしょうか? |
関 根 |
東京商工会議所のアンケート結果によると、中小企業のうち約6割が裁判員制度への対策として「特に何もしていない」と答えています。 |
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裁判員制度の概要としては・・・
国民の中から選ばれた裁判員が刑事裁判に参加し、他の裁判員や裁判官とともに有罪か無罪か、どのような刑罰にするかを決める制度。 一般国民が刑事裁判に参加することで、裁判を身近なものとし、適正で公正な判断が下せるよう期待されて翌年の裁判員候補者名簿に名前が載った人には「調査票」とともに選ばれたことを通知されます。 その後、事件ごとにくじで裁判員候補者を選び、呼出状と質問票が送られます。 辞退が認められた場合を除き、裁判所に出頭し選任手続きのための質問などを受け、最終的に6人の裁判員が決まります。 審理と評議に要する日数は、約7割の事件が3日以内で終わると想定されていますが、事件により異なります。 |
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相談者 | 現時点で報告がないということは、うちの従業員は当たってないということですよね。 |
関 根 | おそらく、そうでしょうね。でも、今回はいなくても来年以降、従業員が選ばれるかもしれません。 従業員が候補になったことは毎年12月にはわかりますし、呼び出し状は6週間前までに本人に通知されますので、会社としても対応準備には時間的余裕があります。早めにきちんと報告してもらうように指導しましょう。 |
相談者 |
選ばれないことを祈りますね。 |
関 根 |
人的にあまり余裕がない中小企業にとって、従業員が裁判員に選ばれた場合、正直「困ったな~」と感じる経営者の方もいると思います。 |
相談者 | わかりました。では、具体的にはどういう点に気をつけて対策をしていけば良いんですか? |
関 根 |
問題となってくるのはやはり「休みの与え方」だと思います。 「年次有給休暇でいいじゃないか」と思われているかもしれませんが、年次有給休暇が残っていない場合や審議が長引いた場合、取り扱いに困ってしまうことになります。 例えば、実際に裁判員なった場合は特別休暇を有給で与える、候補者として出頭し選ばれなかった場合は、数時間程度の拘束と予想されるので「時間単位」の特別休暇とする、というやり方もあります。 |
相談者 | 裁判員になると手当てが支給されるそうですが、この辺も企業としては考慮が必要ですか? |
関 根 |
その通りですね。 |
相談者 |
お話を聞いていると、裁判員なった場合、企業は必ず「有給」にしないとダメなんですか? |
関 根 |
そんなことはありません。 |
相談者 | あと、会社にとって「この人はどうしても休ませるわけにはいかない」「代わりがいない」という場合、辞退はできないのですか? |
関 根 |
裁判員制度は広く国民に参加してもらうという趣旨から、原則として辞退はできません。しかし、国民の負担が過重とならないよう辞退事由を定めており、裁判所から認められれば辞退が可能となります。 |
相談者 | 義務だから参加強制というわけではないのですね。 しかし、もし自分や身近な人が選ばれたら「どうしよう」と思う反面、「どんなことをやるのか」という興味も感じるかもしれません。 |
関 根 |
そうかもしれませんね。 |