もうかなり前の話になりますが、印象深い個人相談がありました。
予定していた内容の相談が終了した後、
相談者の女性がご主人についての愚痴をこぼしはじめたのです。
「ヒドいんですよ 聞いてください
」
から始まった家庭内別居状態で離婚も考えているというご主人の話。
ずーっと聞いていると
「気が利かなくてイライラする」とか「・・・してくれない」とか、
「父親として・・・が足りない」とか「いくら言っても進歩がない」など
ご主人に求めるハードルが高く、そもそもの不和の原因が奥さんの気持ちにあるように感じてきてしまったのです。
客観的にみると、仕事も一生懸命で(収入も多く)、子供も大切にしている様子で、けっこういいご主人なんですよ。
(聞いて欲しいだけなんだから)と思いながらも、つい・・・
「40年近くも生きてきた男性をそう簡単に変えるのは
無理。まずは自分が変わることに挑戦してみたら?」
と、口を出してしまった私。
そうしたら、その奥さん
「そんなこと言われたの初めて」
と耳を傾けてくれたのです。
そこで、私は彼女に「あること」を実行する提案をしました。
「あること」とは・・・
朝、ご主人が出勤するときは玄関に送りにでて、
笑顔で「いってらっしゃい」といい、
帰ってくるときは玄関まで迎えにでて
笑顔で「おかえりなさい」という、それだけ。
私が自分自身過去にそれを実行し、
劇的に家族関係が改善された経験を話すと
「人生相談になってしまいすみません。
でも、やってみようかな」
と、ご主人の悪口の時とは別人のような明るい顔で
彼女は言いました。
「その後、どうなったかな~」なんて時々思い出していましたが、
昨日突然、彼女から
「離婚問題に詳しい専門家を紹介してほしい」
という連絡がきてしまいました。
「夫婦の問題」は単純ではないのはわかっています。
だから離婚がめずらしくないのですよね。
でも、正直いって残念。
また、一方で
あんな提案をした私のところに離婚の話をしてくる彼女は
本当はまた何かを求めているのかな?
複雑な気持ちです。
[プライバシーに配慮し、実際とは設定を変えて表現しています]