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錦繍

2014年01月14日 (火) 18:26
「錦繍」をはじめとして「泥の川」や「ドナウの旅人」など、
若い頃、宮本輝さんに一時ハマッていました。

最近、20代前半に読んだ本を読み返しています。
こんなことをしたくなるのは、
歳を取った証拠でしょうか?

「錦繍」は本文のすべてが、男女の間でやりとりされる手紙です。
その男女とは、十年前に離婚した元夫婦で、
偶然の再会をきっかけに妻が手紙を送り始めます。

別れた原因は、
夫が浮気相手に刺され瀕死の重症を負った無理心中事件。
相手の女性は亡くなって、夫は助かったのですが、
あまりのことにじっくりと話すこともなく
離婚してしまいました。

ふたりは無くしたままのパズルのピースを埋めるように
文章をしたためていきます。

失われた時を取り戻すことは出来ませんが、
書簡の往復を重ねるうちに、過去ではなく
現在から未来へお互いの歩を向かわせていきます。

若い頃は、まだ見ぬ大人の世界を垣間見てストーリーに酔ったものです。
今は、主人公たちの歳を大幅に超えたことに驚きつつ、
メールにはない手紙の艶を味わいながら良書を堪能しました。

 

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