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12-05 (Sun) 21:52
孤舟 定年退職後の生き方
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話題の一冊、「孤舟」渡辺淳一著 集英社を読みました。

 有名広告代理店の役員まで上り詰めたエリートサラリーマンが、
60歳定年を迎え、夫婦関係と親子関係に危機を迎える。
いわゆる団塊の世代が退職し、有り余る時間の
中で家庭での役割や生きがいについて考えていく物語です。

仕事一徹だった主人公の威一郎には
これといった趣味もない。
退職したトタン、お歳暮や年賀状は一気に減り、
ライバルはいたが親友などいないと気づく。

「荷物も持たず、勝手に行動、疲れたら寝る
・・・あなたとの旅行はうんざり」とか、
妻を喜ばせようと頑張って作ったチラシ寿司に4時間もかかり、
「後片付けが大変だからもういい」と言われてしまう。

ありがちな夫婦のやりとりや
女性ならでは身勝手さも描かれて・・笑えます。


自由で楽しいはずの第二の人生は、妻や子に疎まれ、
挙句の果てに家を出て行かれてしまう。

孤独を募らせながらも、犬と自分だけの暮らしの中、
デートクラブで逢った若い女性(小西くん)との交際や
ぎっくり腰を経て、
肩書きなどない本当の自分と向きあい受け入れていく。

特に、最後の小西くんとの会話は、
心が温まり、何度も読み返しました。

 日経新聞に渡辺淳一さんの「愛の流刑地」が連載されていた頃、
毎日楽しみで新聞をウラ面から読まされてました。

今回も非常に面白く一気に読みましたが、
最後に威一郎が自信を取り戻し、
新しい生活を獲得していこうとするラストシーンに、
「やるせない終わり方でなくて良かった〜」
と正直ホッとしました。


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